第21回A. リード音の輪コンサート
〜J. バーンズを指揮者に迎えて〜
音の輪コンサート代表  
株式会社エーピーアイ
代表取締役  青山 均  

 アルフレッド・リード博士を音楽監督に迎えて1989年に発足した「A.リード音の輪コンサート」は、2005年5月4日すみだトリフォニーホールで行われた第17回がリード博士の指揮する最後のコンサートとなり、博士はその年の9月17日に亡くなられました。翌年5月4日に同ホールで第18回音の輪コンサート「A. リード追悼演奏会」を開催、続いて2011年5月4日第19回音の輪コンサート「A. リード生誕90年記念特別演奏会」を開催。そして昨年5月5日東京芸術劇場において第20回音の輪コンサート「アルフレッド・リード没後10年追悼」を開催しました。

 リード作品にはどの曲にも“音楽の力”が秘められています。それは音楽の三要素である“メロディー”“リズム”“ハーモニー”が絶妙なバランスの上に構成されていて、それが聴く人の命の波動と体の奥底で共鳴するからではないでしょうか。そこにリード音楽の神髄があり、民族や人種の違いを超え、世代を超えて受け継がれ伝えられてゆく大きな生命力があるのではないでしょうか。最期の瞬間まで音楽の中に生きたアルフレッド・リードの崇高な芸術家魂を受け継ぎ、彼の音楽とその精神を未来永劫引き継いでゆくために、音の輪コンサートはこれからもリード作品を演奏して参ります。

 そしてA. リード作品と同じ精神のもとに音楽を書き続ける作曲家、それがジェイムズ・バーンズです。1989年に5月3日にゆうぽーと簡易保険ホールで開催された「第10回記念特別演奏会」で第10回記念特別バンドと「アルヴァマー序曲」「秋のひとりごと」「シンフォニックオーバーチュア」を指揮し大喝采を受けました。それから19年ぶりの共演となります。その間APIでは毎年のように彼を日本に招請して洗足学園音楽大学をはじめ各地で演奏会を開催してきました。特に昨年は、6月後半の尚美ウインドオーケストラ北海道(札幌・旭川・北見)コンサートツアー、7月4日シエナ・ウインドオーケストラ第40回定期演奏会、7月12日前田ホールの洗足学園音楽大学演奏会と忙しい一ヶ月の滞在をしています。

 来年、いよいよ音の輪コンサートにカンバックです。今回も全国から音楽を愛する有志が続々と集まってきていて、これまでには見られない熱気が感じられます。特に申し込み初日から特定のパートが満員になり申し込みを締め切り、さらにオーディションの準備も進めましたが、これまでの音の輪の方針に馴染まず対応に苦慮、演奏に非常に厳しいバーンズ氏に音の輪のスタイルを理解してもらって現在の編成での指揮を引き受けていただくことになりました。しかし、ソロに関しては完璧な演奏を要求されていますので、今後の演奏者の皆さんのご協力をいただきベストな編成を組んで最高の演奏を目指していきたいと考えています。

 来年5月5日ミューザ川崎での第21回音の輪コンサートまで残すところ10ヶ月となりました。あっという間に年が明けて練習が始まります。数少ない練習日を十分実りあるものにして、聴衆の皆さんに感動を与えられる音の輪コンサートの新しい1ページを作りましょう 。